長根英樹 ネットクラブ
皇位継承と和の心
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No.58 言葉の定義ではなく皇位の由来に着目をして 〜系統継承 長根 英樹 さん 
    2006.01.06 10:26:56 返信

 
No.56「皇位継承について」のマコトさん。

言葉には、広義、狭義それぞれの意味がありますから、言葉の定義その
ものにこだわって深入りしていくのではなく、継承の意味の違いに着目
をして捉える方が有意義と思います。


男女に関わらず、単に親子関係だけに着目をして捉えた場合と、男女い
ずれか一方、連続する父子間関係(父と息子)、母子間関係(母と娘)
で捉えた場合とでは、子孫の広がり、先祖の広がりは大きく違ってきま
す。

例えば、自分を起点に先祖を遡ってみると、男女両方でみると1世代前
で父親、母親の2名。2世代前で、父方の祖父母2名と母方の祖父母2
名の計4名、その後は3世代前で8名、4世代前で、16名。10世代
前では1,024名(ご先祖様総数は2,046名=1,024+512+256+128
+64+32+16+8+4+2=)になります。

これに対して、男女いずれかでみると、1世代前で父、あるいは母の1
名。2世代前でも父方の祖父、あるいは母方の祖母と1名。3世代まで
も同様に1名で、10世代前も1名(ご先祖様総数は10名)となりま
す。

こうした遡り方の違いをして、男女両方の捉え方を「直系」、男女いず
れかの捉え方を「系統」として表現をしているのです。

辞書の定義の問題ではなく、意味合いが全く異なる捉え方である点が理
解出来るものと思います。

ここで重要な点ですが、「系統」での捉え方でも、男女いずれか、父方
母方のいずれかを軽んじるということではありません。
父も母も、父方の祖父母も母方の祖父母も同様に大切であり、先代、
先々代と遡って縁が飛躍的に広がることは素晴らしいことですが、一方
でそれが(数多くいる子孫の誰かが世話をするだろうという)責任の分
散、あいまいさに繋がっていく懸念もあり、責任、分担を明確にして、
それぞれがそれぞれの親族間の世話をしていくという互助の仕組みとし
て、「系統」という捉えが位置づけられるものと思います。


また、皇位、王位の由来という意味で捉えても、王の子なら、系統(男
女)に関わらずに継承が出来るという方法であれば、王位の由来が現役
の王にあるという意味合いが強くなると思います。
一方で、王の子であっても、系統に属するだけでなく系統を次世代に伝
えることが出来るという意味で男女いずれか一方しか継承が出来ない方
法では、皇位、王位の由来が、現役の王、皇にではなく、先代、先々代
へと遡ったご先祖様にあるという意味合いが強くなります。

今の世代、自分の存在を、私的なもの、自由に出来るものと考える文化
と、世代を預かる意識で捉える文化の違いが、「系統」の捉え方、継承
方法にも違いとなってあらわれているものと思います。


※「系統」を理解することと「系統継承」を理解することは別で
 あり、「系統」の理解は第一歩に過ぎません。
 「系統」に属することは「系統継承」における必要条件、第1
 のハードルに過ぎず、「この方は男系の女子であり、即位する
 ことに問題はない」などという捉え方は、歴史の積み重ね、
 先人の営みを蔑ろにする、有識者会議同様の伝統破壊の考え方
 になるものと考えます。


日本の皇位継承方法、「系統継承」は、和の文化、和の心、互助の考え、
無私の(世代を預かる)意識などから生み出され、成熟してきた継承方
法であり、これを欧州型の直系継承に変えるのは、文化、価値観の大転
換を意味することになります。

それ故、日本の文化、精神性を愛し、誇りに思う人々が、それを守るた
めに熱くなり、皇位継承の伝統、天皇陛下と日本の関係を守ろうと行動
しているのだと思います。

   


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 ■ Copyright 長根英樹         E-mail:nagane@kimono.gr.jp 
   :2005年10月 7日   更 :2005年10月 7日