昨日、4月17日、日本で初めてとなるセーフガード(緊急輸入制限措置)
の発動が閣議にて正式決定されました。
政府は、WTO(世界貿易機関)の協定でも認められているルールに則った
措置で問題はないとしています。
しかし、そこには「なぜ今まで同じ様な場面においてこの措置がとられずに
来たのか」という、過去に積み重ねられてきた政治判断を顧みる姿勢は感じ
られません。
確かに今、日本は大きな転換期にあり、経済も厳しい状況にあります。
しかし、歴史の中で現在を捉え、21世紀の日本のあり方を考えるならば、
国内の建て直しという課題を越えてもなお、まだ果たすべき大きな役割が
認識されるものと思います。
政府は、今後、世界の中で日本の役割をどの様に位置づけ、どの様に導いて
行こうと考えているのでしょうか。
私は、21世紀こそ、世界の民主主義体制を確立する時代と考えます。
今の国連のあり方を改革し、真に民主的な国際秩序維持体制を確立すること
が、人類史を次のステージに高めることになります。
日本は、あらためて温故知新の精神で和の心を見つめ直し、凛とした気概、
繊細な感受性、慈しみやさしさなど日本の伝統的価値観を再構築し、武士道
精神、天道に基づく高度な理想主義を背景に、全世界に向け国際協調体制の
新たな構築を訴え、先導していくべきだと考えます。
この様に歴史を捉え、将来を展望するならば、経済における日本の際立って
抑制的な精神性、独自性の象徴例ともいえる、
・武器の製造輸出を産業としていない
という国家判断と同様の意味合いが
・自由貿易の理念を尊重しセーフガードを一度も発動していない
という施策にもあり、従来の政治決断に非常に大きな意義があった点、また
それが各国への説得力を高める大きな要素となっていた点が認識されるもの
と考えます。
目前の国内改革、経済建て直しの問題と、世界の中での日本の役割、大きな
方向性をどの様に捉え導いていくかという問題を別個のものとして捉えずに、
段階的な道筋、ステップはあるにせよ、そこに通底する歴史観、将来展望に
重きを置き、骨太の論議を進めていくことこそが重要と考えます。
今こそ、対処療法的な経済対策の繰り返しをあらため、国のあるべき方向を、
政治家それぞれが歴史観、将来展望とともに示し、大きな理念をもとに国の
行方を切り拓いていく体制をつくることが求められると考えます。
あらためて、国政の場で、その大きな改革、政治論議の中に身を置き、役割
を果たしていきたいとの想いを強くしているところです。
みなさんから、ご支援、ご意見、叱咤激励をいただきつつ、精進をしていき
たいと考えています。
よろしくお願いいたします。 |