小沢一郎政治塾 6・7月課題 長根 英樹 2002.07.22
地域社会、日本、あるいは地球(グローバル)の課題に対して、貴方は今後どのような
かかわりを考えているか、述べよ。
「国際正義の確立と和の価値観としての天道 〜 高度な理想主義に基づく新秩序の構築」
昨年9月11日の米国同時多発自爆テロ以降、米国による1国支配の動きが加速し、
世界にまた新たな形で覇道主義的な潮流が生まれつつあるように懸念します。
「正義は力、力は正義」という形では本質的な安定はもたらされず、より高度な理想
主義、普遍の価値観を基調とした新たな国際協調体制の構築が世界的に急務な課題に
なっているものと考えます。
こうした王道的な安定の模索、文化の力による国際正義の確立と新世界秩序の構築に
おいては、日本が大きな役割を果たせるものと考えます。
例えば日本は無宗教の文化とも言われますが、八百万の神を崇めるに際しても決して
無原則に何でもよしとしたのではなく、個々の神々や宗教の上位にそれらを包含する
大法則を究極化した形で見出して、“お天道様のもとでは全ての神々がそれぞれの立
場で役割を果たす有り難い存在である”との捉え方に基づいた高度な昇華を踏まえて
調和を得たものであり、いわば「天道」に基づく“超宗教”の文化と捉えるのが相応
しいと考えます。
この様に、多様な個性を尊重し受け入れながらも大きな調和を図る関係性の捉え方や
秩序意識は、日本独自の超調和主義へと繋がり、それを支える究極化、すなわち高度
で普遍的な理想主義(天道思想)を生み出したものと考えます。
武士道における君主と武士、人民との関係も、狭義の封建制に基づく直接的な主従の
関係ではなく、君も武民も互いに更に高い位置に共通の理想を仰ぎ、それぞれの立場、
役割意識で理想実現に取り組むという“価値観(天道)の共有”が基礎となっていた
ものと考えます。
そして、この役割意識から西洋の「ノブレスオブリージュ」と同様の高い精神性、使
命感、克己心が育まれ実践されてきたものと考えます。
こうした和の心、精神性、文化的な背景を今一度見つめ直し、普遍的な価値観として
現代に再構築し世界に向けて発信をしていくこと、共感と信頼の和を広げて国際的な
協調ネットワークを構築し、賛同国の連携を背景に新たな世界平和の枠組みをつくり
上げていくこと。
日本ならではの天道、高度な理想主義に基づく真の国際正義の確立と、新たなる秩序
の構築に向けた世界的な取り組みを進めていくことが重要であり、また歴史的な使命
であると考えます。
◇
私はこうした課題に対して、長期的な視点に立ちつつ様々なアプローチにより幾多の
ステップを積み重ねていく形にて、ライフワークとする覚悟をもって取り組んでいき
たいと考えています。
究極的な目標としては、政治家として、それも国を代表し最高の責任を担って他国に
日本からのメッセージを発信し得る内閣総理大臣の立場で、各国各人に未来づくりに
向けた共同チャレンジの呼びかけをして回りたいと考えています。
「政治は可能性の芸術」という言葉もありますが、はやり世の中に様々な主義主張、
それぞれの正義が存在する以上、それを乗り越えて普遍の平和という夢の理想社会を
実現していくプロセス、すなわち一人ひとりの意識変革と夢への共感を通じて文明史
を新たなるステージへと導いていく役割は、まさに政治の使命であると考えます。
大きな社会変革、価値の転換を進めていくにおいては、政治リーダーの、一人の人間
としての言葉、生き様、精神が大きく人びとの心を動かす場合があるものと考えます。
私は、世界の人びととの直接の触れ合いを大切にし、同じ生を受け時代を共に生きる
一人の人間として、「心や哲学、文化」(精神的な基礎部分や文化的な背景)の面を
率直に通い合わせる交流を築いていきたいと考えています。
「出藍の誉れ」「青は藍より出て藍よりも青し」。
塾生が入塾時に抱いたそれぞれの夢、ビジョンを、実際の政治的活動の中で実現して
いくこと、各分野でそのリーダーシップを担っていくことこそが、塾、塾長に対する
最大の恩返しになるものと考えます。
私は、政治の世界にて、小沢塾長の理念を継承しさらに大きく発展昇華させていくと
いう大志を抱き、最高の形で恩返しが出来る様に取り組んでいきたいと考えています。
上記の直接的な政治の世界での関わりとは別に、個人の立場でビジネス面や社会活動、
趣味や文化等の面を通じて政治的な役割を果たしていくことも可能と考えます。
今後の現実的な対応としては、きものプロデューサーとしてのビジネスや趣味の交流
などの活動を通じて、和の伝統的な価値観の再発見再構築と国際理解の進展に向けた
役割を果たしていきたいと考えています。
現在、イタリアを発祥とする「スローフード」のムーブメントが広がりを見せてきて
いますが、これは各国各地域独自の伝統的な蓄積、文化を、生活に根ざした衣食住の
「食」を通じて見つめ直し、その心を現代に受け継ぎ発展させていこうという動きと
理解しています。
これと同様に、衣食住の「衣」、和の服=きものを通じて、観念的にではなく衣服を
装うという生活に根ざした形で日本ならではの和の価値観、美意識、精神性を探り、
現代に発展昇華させ普遍の価値観として再構築し国際的に理解を広めていくという、
いわば日本発の“「スロークロージング」運動”のナビゲート役を通じて役割を果た
していきたいと考えているところです。
以上
※上記論文は7月22日郵送提出の文章に一部修正を加えた推敲版です。
塾事務局に提出した元原稿は以下の通りです。
小沢一郎政治塾 6・7月課題 長根 英樹 2002.07.22
地域社会、日本、あるいは地球(グローバル)の課題に対して、貴方は今後どのような
かかわりを考えているか、述べよ。
「国際正義の確立と和の価値観としての天道 〜 高度な理想主義に基づく新秩序の構築」
昨年9月11日の米国同時多発自爆テロ以降、米国による1国支配の動きが加速し、
世界に覇道主義的な潮流が生まれつつあるように懸念します。
「正義は力、力は正義」という形では本質的な安定はもたらされず、より高度な理想
主義、普遍の価値観を基調とした新たな国際協調体制の構築が世界的に急務な課題に
なっているものと考えます。
こうした王道的な安定の模索、文化の力による国際正義の確立と新世界秩序の構築に
おいては、日本が大きな役割を果たせるものと考えます。
例えば日本は無宗教の文化とも言われますが、八百万の神を崇めるに際しても決して
無原則に何でも有りとしたのではなく、個々の神々や宗教の上位にそれらを包含する
大法則を究極化した形で見出して、“お天道様のもとでは全ての神々がそれぞれの立
場で役割を果たす有り難い存在である”との捉え方に基づいた高度な昇華を踏まえた
ものであり、いわば「天道」に基づく超宗教の文化と見るべきと考えます。
この様に、多様な個性を尊重し受け入れながらも大きな調和を図る関係性の捉え方や
秩序意識は、日本独自の超調和主義へと繋がり、それを支える究極化=高度で普遍的
な理想主義(天道思想)を生み出したものと考えます。
武士道における君主と武士、人民との関係も、封建制に基づく直接的な主従の関係で
はなく、君も武民も互いに更に高い位置に共通の理想を仰ぎ、それぞれの立場、役割
意識で理想実現に取り組むという“価値観(天道)の共有”が基礎となっていたもの
と考えます。
そして、この役割意識から西洋の「ノブレスオブリージュ」と同様の高い精神性、克
己心が育まれ実践されてきたものと考えます。
こうした和の心、精神性、文化的な背景を今一度見つめ直し、普遍的な価値観として
現代に再構築し世界に向けて発信をしていくこと、共感と信頼の和を広げて国際的な
協調ネットワークを構築し、賛同国の連携を背景に新たな世界平和の枠組みをつくり
上げていくこと。
日本ならではの天道、高度な理想主義に基づく真の国際正義の確立と、新たなる秩序
の構築に向けて世界的な取り組みを進めていくことが重要であり、また歴史的な使命
であると考えます。
◇
私はこうした課題に対して、長期的な視点に立ちつつ様々なアプローチにより幾多の
ステップを積み重ねていく形にて、ライフワークとする覚悟をもって取り組んでいき
たいと考えています。
究極的な目標としては、政治家として、それも国を代表し最高の責任を担って他国に
日本からのメッセージを発信し得る内閣総理大臣の立場で、各国各人に未来づくりに
向けた共同チャレンジの呼びかけをして回りたいと考えています。
「政治は可能性の芸術」という言葉もありますが、はやり世の中に様々な主義主張、
それぞれの正義が存在する以上、それを乗り越えて普遍の平和という夢の理想社会を
実現していくプロセス、すなわち一人ひとりの意識変革と夢への共感を通じて文明史
を新たなるステージへと導いていく役割は、まさに政治の使命であると考えます。
大きな社会変革、価値の転換を進めていくにおいては、政治リーダーの、一人の人間
としての言葉、生き様、精神が大きく人びとの心を動かす場合があるものと考えます。
私は、世界の人びととの直接の触れ合いを大切にし、同じ生を受け時代を共に生きる
一人の人間として、「心や哲学、文化」(精神的な基礎部分や文化的な背景)の面を
率直に通い合わせる交流を築いていきたいと考えています。
「出藍の誉れ」「青は藍より出て藍よりも青し」。
塾生が入塾時に抱いたそれぞれの夢、ビジョンを、実際の政治的活動の中で実現して
いくこと、各分野でそのリーダーシップを担っていくことこそが、塾、塾長に対する
最大の恩返しになるものと考えます。
私は、政治の世界にて、小沢塾長の理念を継承しさらに大きく発展昇華させていくと
いう大志を抱き、最高の形で恩返しが出来る様に取り組んでいきたいと考えています。
上記の直接的な政治の世界での関わりとは別に、個人の立場でビジネス面や社会活動、
趣味や文化等の面を通じて政治的な役割を果たしていくことも可能と考えます。
今後の現実的な対応としては、きものプロデューサーとしてのビジネスや趣味の交流
など和の伝統的な価値観の再発見再構築を目指す諸活動を通じて、国際理解の進展に
向けた役割を果たしていきたいと考えています。
現在、イタリアを発祥とする「スローフード」のムーブメントが広がりを見せてきて
いますが、これは各国各地域独自の伝統的な蓄積、文化を、生活に根ざした衣食住の
「食」を通じて見つめ直し、その心を現代に受け継ぎ発展させていこうという動きと
理解しています。
これと同様に、衣食住の「衣」、和の服=きものを通じて、観念的にではなく衣服を
装うという生活に根ざした形で日本ならではの和の価値観、美意識、精神性を探り、
現代に発展昇華させ普遍の価値観として再構築し国際的に理解を広めていくという、
いわば日本発の“「スロークローズ」運動”のナビゲート役を通じて役割を果たして
いきたいと考えているところです。
以上
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